コーヒーについて

コーヒー豆の焙煎(ロースト)について解説します!

 

「コーヒー豆」=茶褐色のイメージありますよね?

輸入されてきたコーヒー豆は、生豆、いわゆる「グリーンビーンズ」といわれる緑っぽい色をした豆の状態です。

というのも、この状態が一番保存が効いて鮮度が保てるからですが、このままでは青臭いだけで、コーヒーの味も香りも全くなく飲めたものではありません。

そこで施すのが「焙煎」という処理です。

この記事では、コーヒーの風味を決定づける重要な「焙煎」について詳しく解説します!

 

焙煎(ロースト)とは

コーヒーの生豆を煎る、火であぶることを「焙煎」、または「ロースト」といいます。

熱を加えることで生豆が化学変化を起こして、あの馴染みのある見た目とコーヒー独特の風味が出てきます。

 

コーヒー豆は、豆の品種や生産地、精製方法によって様々な個性があります。

その豆が持っている個性を最大限に引き出すために、焙煎はとても重要な工程です。

同じ豆でも、焙煎の仕方や度合いで味や香りが全くの別物になってしまうので、その豆の良さを生かすも殺すも焙煎次第なんですよ。

 

 

焙煎による変化

焙煎していくと、次のような段階をふんで、生豆は茶褐色の焙煎豆へと変わっていきます。

  1. 緑色の生豆は、熱を加えることで水分が蒸発し、チャフが剥がれて肌色っぽくなります。
  2. 豆が収縮して、表面にシワができ始めます。
  3. さらに加熱すると、豆が膨張してパチパチと破裂音が鳴り始めます。⇒「1ハゼ」
  4. さらに加熱すると、豆のシワが伸びて再び破裂音が鳴り始めます。⇒「2ハゼ」
  5. さらに煎ると、内部の油脂がにじみ出てツヤが出始めます。

「1ハゼ」が始まるまでの10分くらいの間は、豆の水分がひたすら飛ばされます。

「1ハゼ」が起きると、分単位で目まぐるしく焙煎が進んでいきます。

ちなみに、生豆は焙煎することで、水分が減り重さが軽くなりますが、逆に膨張して体積は増えます。

 

焙煎度とは

焙煎は、コーヒー豆を加熱した度合いによっていくつかの段階に分類されます。

豆の加熱の度合いを「焙煎度」といって、大きなくくりとしては「浅煎り」「中煎り」「深煎り」の3段階です。

ただ、例えば中煎りの中でも浅煎りよりと深煎りよりではだいぶ違うので、さらにそれを細かくして次のような8段階に分けることもあります。

  • 浅煎り --- ライトロースト、シナモンロースト
  • 中煎り --- ミディアムロースト、ハイロースト、シティロースト
  • 深煎り --- フルシティロースト、フレンチロースト、イタリアンロースト

焙煎をすればするほど豆の色は濃くなっていき、それに応じて風味もどんどん変化していきます。

ざっくりいうと、焙煎度が浅いほど酸味が強く苦味は弱く、焙煎度が深くなるほど苦味が強く酸味は弱くなっていきます。

では、それぞれの焙煎度ついて具体的な特徴を見ていきましょう。

 

浅煎り

焙煎度が浅いので酸味が強いのはもちろん、それだけでなく渋味やえぐみが出てしまいがち。

浅煎りは味や香りにコーヒーっぽさがなく、コーヒーとして楽しむというよりはテスト用に使われることが多いです。

 

浅煎り向きの豆としては、次のようなものがあります。

  • 標高の低い土地で作られた水分量の少ない肉薄の豆
  • 渋味が出にくいキューバ、ハイチ、ドミニカなどのカリブ海産の豆
  • 水分量が少なくなったオールドクロップ

 

ライトロースト

焙煎を始めてから約11分ほど経過して、1ハゼが始まる直前の段階。

一番焙煎が浅くて、うっすら茶色く色づき始めた段階のコーヒー豆です。

酸味が際立っていて、コーヒー独特の苦味やコク、香りはほとんど感じないので、一般的に考える「コーヒー」の風味とはかけ離れています。

市場にはほとんど出回っておらず、主に豆の個性や特徴をチェックするテストや試飲用として使われます。

 

シナモンロースト

焙煎を始めてから約12分ほど経過して、1ハゼが始まって中盤くらいの段階。

その名の通りシナモン色をしていて、豆の水分が蒸発し始め徐々に香りが立ちつつある段階のコーヒー豆です。

ライトローストと比べるとコーヒー特有の香りは多少あるものの、相変わらず酸味が強くコクや苦味はほぼ感じない。

それでも良質な酸味のある豆なら、きちんとその豆の個性を感じられる焙煎度ではあるので、ブラックコーヒーに適しています。

ただ大半の豆は、ライトローストと同じく主にテスト用として使われ、市場にはほとんど流通していません。

 

中煎り

中煎りまで焙煎すると、見た目も実際の味や香りも私たちのよく知る「ザ・コーヒー豆」になって、ブレンドコーヒーのベースとして使われることも多いです。

なかでも、ハイロースト~シティローストは比較的どんな豆にも合う焙煎度なので、初めて飲む種類の豆であれば、まずこの焙煎度で味わってみるのがおすすめです。

その豆の個性を知るのにもってこいの焙煎度ですよ。

 

中煎り向きの豆としては、次のようなものがあります。

  • 標高の中~低い土地で作られた豆
  • 水分量の少ないキューバ、ハイチなどのカリブ海産の豆
  • ナチュラル方式で精製されたブラジル産の豆

 

ミディアムロースト

焙煎を始めてから約15分ほど経過して、1ハゼが終わるくらいの段階。

このくらいまで焙煎すると豆が栗色になって、ようやくよく見慣れたコーヒー豆に近づいてきます。

酸味が中心ではあるものの香りもコーヒーっぽくなってきて、苦味も出てきます。

ライトな口当たりで、アメリカンコーヒーに向いている焙煎度なので「アメリカンロースト」と呼ばれることもあります。

普通に飲料として飲まれるようになるのは、この焙煎度くらいからです。

 

ハイロースト

焙煎を始めてから約17分弱経過して、豆のシワが伸びてきた段階。

日本では一般的な焙煎度として人気が高く、喫茶店でもよく採用されています。

豆は深い茶色をしていて、酸味もほどよく残る一方で苦味は増してきて、酸味、苦味、甘味がいいバランスになっています。

豆自体の特徴が出やすいので、ストレートコーヒーとして楽しむのにも向いていますよ。

 

シティロースト

焙煎を始めてから約18分弱経過して、2ハゼが始まった段階。

ハイローストと並んで、日本人好みで喫茶店などでの採用率が高い。

濃い茶褐色で、まさにコーヒーと言われて思い描く色です。

酸味が控えめになる一方で、苦味やコクがより豊かに感じられるようになります。

たいていの豆にマッチするので、コーヒー初心者が味の基準にするといい焙煎度です。

コーヒー初心者はこの焙煎度で淹れた豆の味を基準にして、自分好みの豆や焙煎度を探してみるといいですよ。

 

 

深煎り

だんだん苦味が強調されすぎて、味が単調に感じられてきます。

最近ではシティローストもエスプレッソ用に使われる傾向にあるものの、従来エスプレッソには主に深煎りが使われてきました。

味が濃厚なので、アイスコーヒーやミルクとのアレンジコーヒーにももってこいです。

 

深煎り向きの豆としては、次のようなものがあります。

  • 標高の高い土地で作られた水分量が多く肉厚で酸味の強い豆(コロンビア、グアテマラ、ケニア産など)
  • マンデリンやハワイコナなどの個性の強い豆

 

フルシティロースト

焙煎を始めてから約19分弱経過して、2ハゼが起きている途中の段階。

シティローストとともに、中深煎りに分類される場合もあります。

濃いめのチョコレート色をしていて、うっすら豆の表面に油分がにじみ出てきます。

酸味は少なくなって、苦味が強くなり始め、アイスコーヒーやエスプレッソに向いています。

 

フレンチロースト

焙煎を始めてから約19分強経過して、2ハゼが終わりかけてさらに加熱した段階。

黒みがかった褐色で、豆の表面に油分が出ています。

酸味はほとんど感じられなくなり、苦味やコクが際立っています。

ミルクやクリームと相性がいいので、エスプレッソやアイスコーヒーだけでなくカフェオレなどのアレンジコーヒーにも向いています。

 

イタリアンロースト

焙煎を始めてから約20分強経過して、2ハゼを過ぎた段階。

焙煎度の中で一番深く、色は茶色の要素がほとんどなくなり、もはや黒に近いです。

豆の表面は、こってりと覆われた油分で光っています。

ここまで煎ると豆が着火する恐れも出てくるので、焙煎には注意が必要です。

酸味はなく、焦げたような香味と苦味がかなり強いので、エスプレッソやカプチーノ用として使われます。

豆自体の個性はほとんど感じられなくなってしまうので、ちょっともったいないですね。

 

 

自分に合った焙煎度の選び方

コーヒー豆を選ぶとき、たいてい「キリマンジャロ」や「ブルーマウンテン」などといった銘柄はチェックするんじゃないでしょうか。

ところが、同じ銘柄でも焙煎度が違えば苦味と酸味のバランスが全然違って、その銘柄の印象がガラリと変わることもあります。

 

豆の種類によってミディアムローストがよかったりフルシティローストがよかったりと、その豆のもつ魅力を最大限に発揮する焙煎度は違います。

そのため、その豆にとってどの段階まで焙煎するのがベストなのか、その豆の個性を引き出す焙煎度を見極めなくてはなりません。

 

ただそんなことを言われても、こんなに焙煎度が細かく分かれていると、どの焙煎度の豆を選べばいいのか悩みますよね?

お店では、8段階の焙煎度のものをすべて置いているわけではなくて、プロの視点でその豆に適した焙煎度をいくつかに絞って販売していますよ。

その中から自分の好みのものを選べばいいわけですが、実は、お店によって、例えば同じシティローストという名称でも微妙に焙煎の程度が違ったりします。

他にも、欧米だと、フレンチローストがイタリアンローストより深い焙煎度を指しているケースがあります。

国やお店でそれぞれ違う基準があったりするので、お店で購入する時には、お店の人に自分の好みにあった銘柄や焙煎度について相談してみるといいですよ。

基本的には、中煎り、細かく言えばシティローストやハイローストあたりをまず試してみて、より酸味が欲しいのか苦味が欲しいのかによって焙煎度を変えていくことで、自分の好みに近づくはずです。

 

まとめ

この記事では、コーヒーの焙煎について見てきました。

豆自体の品種や産地だけでなく、焙煎の度合いでも好みは分かれます。

焙煎について基本的なことを知っておくと、いざ自分好みの豆を選ぶという時にも役立ちますよ。

ぜひ、焙煎度にも注目しながら豆を選んでみてくださいね♪

 








 

 

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