コーヒーについて

コーヒーのカッピングについて解説します!

 

ワインや、ウイスキー、日本酒などといったお酒では、テイスティングって馴染みがありますよね?

お酒にテイスティングがあるように、実はコーヒーにもテイスティングはあるんですよ。

コーヒーのテイスティングは「カッピング」と呼ばれています。

この記事では、コーヒーにおけるカッピングの目的と評価方法について見ていきましょう。

 

カッピングの目的

コーヒーのカッピングでは、コーヒー豆を挽いたものにお湯を注ぎ口に含む工程の中で、コーヒーの香りや味を評価します。

カッピングの細かい手順については、こちらの記事で詳しくご紹介します。

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自宅でコーヒーのカッピングをマスターする方法について解説します!

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そして、コーヒーのカッピングは、いろんな立場の人がいろんな目的で行っています。

コーヒーの生産国では、輸出基準をクリアしているかの品質チェックのために。

コーヒー豆を仕入れる輸入業者やバイヤーは、どの豆をいくらで仕入れるかを決めるために。

コーヒー豆を焙煎するロースターは、その豆に最適な焙煎ができているかチェックするために。

コーヒーを提供するお店は、その豆に最適な豆の挽き方や淹れ方かチェックするために。

コーヒーに関わる人なら身につけていて損はないといってもいいほど、今やカッピングは重要なスキルになってるんですね。

 

また、カッピングはコーヒー豆のランクに関係なく、コマーシャルコーヒーでもスペシャルティコーヒーでも行われています。

ただその意味合いはちょっと違っています。

 

品質管理のためのネガティブチェック

従来の大量に生産・流通しているコマーシャルコーヒーに対するカッピングは、輸出するにあたって、生産国がマイナス要因を洗い出すために行っていました。

というのも、コマーシャルコーヒーは欠点豆の混入率が高く、味わいや香りにも多少なりとも悪影響が出ていることが多いんです。

そうしたマイナス要因が輸出基準の範囲内に収まっているか、品質が一定の基準をクリアしているかをチェックすることが、カッピングの目的でした。

つまり、欠点部分に着目したネガティブチェックの意味合いが強かったんですね。

 

味を評価するためのポジティブチェック

スペシャルティコーヒーの登場によって、それまでのカッピングに対する考え方にも変化が出てきました。

スペシャルティコーヒーはコマーシャルコーヒーと違ってそもそも欠点豆の混入率が低く品質が高いので、欠点を探し出すというよりは、個性や風味の優れている部分を評価するポジティブチェック的な意味合いが強いものになっているんです。

最近では、スペシャルティコーヒーの品評会や競技会が盛り上がっていて、このコーヒー豆の個性や味を評価するカッピング方式が浸透してきています。

 

 

カッピングの評価方法

スペシャルティコーヒーのカッピングの評価方式としては、「COE方式」と「SCAA方式」の2つが主流です。

どちらも、評価項目や採点方法などには多少の違いはあるものの、消費者の立場にたった、コーヒー豆の味わいや個性を重視したものになっています。

 

COE方式(SCAJ方式)

カップ・オブ・エクセレンス(COE)で使用されている評価方式で、日本スペシャルティコーヒー協会(SCAJ)でも採用されています。

評価項目が8つあって、それぞれ0~8点で採点したものに36点の定数を足した合計100点満点から、欠点や瑕疵があった場合は減点します。

0~5点は1点刻み、6~8点は0.5点刻みで採点します。

4点が基準で、それ以上だとプラス評価、それ以下だとマイナス評価となります。

合計得点が80点以上だとスペシャルティコーヒーと認定されます。

 

カップ・オブ・エクセレンス(COE)についての詳しい記事はこちら。

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スペシャルティコーヒーについて解説します!

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SCAA方式

アメリカスペシャルティコーヒー協会(SCAA)が定める評価方式です。

評価項目は10個あって、それぞれ6~10点の間で0.25点刻みで採点します。欠点があれば減点します。

COE方式と違って、SCAA方式ではアロマ(コーヒーの香り)が評価項目として加算されます。

SCAA方式も、合計得点が80点以上でスペシャルティコーヒーとして扱われます。

 

 

カッピングフォームとは

コーヒーを評価する時には、カッパー(カッピングする人)が何人か集まって採点を行い、その平均を出します。

この時に使うのがカッピングフォームで、コーヒーの採点シートのことです。

もちろん評価方式が違えば、採点に使うカッピングフォームも違ってきます。

ここでは、日本スペシャルティコーヒー協会(SCAJ)のカッピングフォームを例に見ていきましょう。

 

COEのカッピングフォームはこちら。 COEカッピングフォーム

 

サンプル名 / SAMPLE

まず最初に、豆の名前や番号を記入します。

 

ロースト / ROAST

COE方式の焙煎度はハイローストが基準になっているので、それに対してサンプルの粉の色がどうかを判断します。

焙煎度については、採点とは関係ないものの、評価していく上での参考にします。

 

アロマ / AROMA

ドライ・クラスト・ブレークのそれぞれの段階でのコーヒーの香りをチェックします。

香りの強さを右側に、香りの質については左側に記入します。

アロマについても、採点とは関係ないものの、評価していく上での参考にします。

 

欠点・瑕疵 / DEFECTS

欠点豆が混入したりして風味が損なわれている場合に記入します。

ただし、基本的に品質が高いスペシャルティコーヒーは0点になるため、特に記入しないことも。

【 カップ数(#) X 欠点の強さ(i) X 4 】 で計算し、これを合計点から減点します。

 

カッピングの評価項目

カッピングフォームの記入項目のうち、ここからが評価項目になります。

スペシャルティコーヒーと認定される合計得点80点以上になるためには、各評価項目の平均は5.5点以上が必要ってことですね。

コマーシャルコーヒーの平均は4点以上なこともふまえると、配点のイメージができるんじゃないでしょうか。

では、それぞれの評価項目について見ていきましょう。

 

フレーバー / FLAVOR

コーヒーの鼻から感じる香りと実際に飲んだ時に広がる味を総合した印象を評価します。

フレーバーはコーヒーの印象を決める重要な要素で、スペシャルティコーヒーはフレーバーに個性があります。

スペシャルティコーヒーを特徴づける項目ともいえるので、フレーバーが複雑で個性的なものほど評価が高くなります。

 

後味の印象度 / AFTER-TASTE

コーヒーを飲んだ後に口に残る風味、いわゆるアフターテイストが、甘さのいい感覚か刺激的な嫌な風味かを評価します。

 

酸の質 / ACIDITY

酸味が明るい爽やかさのあるものなのか、逆に刺激的だったりキレのないものなのかを評価します。

酸の強さを記入する欄(H・M・L)もありますが、参考程度で評価には影響しません。

評価としては、酸の質を対象にしています。

 

口に含んだ質感 / MOUTH FEEL

口に含んだ時に感じる舌触りの滑らかさや粘り気、濃さなどといった感触の質を評価します。

酸の質と同じように、強さを記入する欄(H・M・L)もありますが、参考程度で評価には影響しません。

 

カップのきれいさ / CLEAN CUP

コーヒーに雑味や濁りがなく、透明性があるかを評価します。

透明性のあるきれいな味わいのコーヒーであれば、栽培地域の風味特性を感じることができます。

 

甘さ / SWEET

口の中で、甘さがどう広がって消えていくのかといった展開のしていき方を評価します。

良い環境で栽培され適切な処理をされることで、コーヒーにいい甘味が生まれます。

 

ハーモニー均衡性 / BALANCE

風味に足りないものや悪目立ちしたものがなく、全体的にバランスと調和がとれているかを評価します。

 

総合評価 / OVERALL

味わいに奥行きがあるか、立体感や複雑さがあるかなど、総合的な評価をします。

この項目は、採点者の個人的な好みに照らし合わせて主観的に評価してOK。

 

まとめ

この記事では、カッピングの目的と評価方法について見てきました。

同じカッピングでも、立場が変われば目的も変わるってことですよね。

カッピングがどういった点を評価するのかざっくりとはイメージできたと思うので、

次回の記事では、具体的なカッピングの手順について詳しく見ていきましょう!

 








 

 

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