コーヒーについて

コロンビアのコーヒー生産地としての特徴について解説します!

 

コロンビアは、南米の中でブラジルに続くコーヒー大国です。

ただ同じ南米でも、ブラジルとはだいぶ違ったコーヒー豆の生産をしていますよ。

 

この記事では、コロンビアにおけるコーヒーの位置づけとその特徴について、解説します。

 

コロンビアの基礎情報

  • 国名:コロンビア共和国
  • 首都:ボゴタ
  • 人口:約4,965万人
  • 言語:スペイン語
  • 面積:約114万㎢(日本の3倍の面積)

 

コロンビアは、コーヒー豆の生産量、輸出量が世界第3位です。

コロンビアでは、農業関係の仕事をしている人のおよそ3割がコーヒー豆を生産していて、コーヒー豆が農業生産高の4分の1を占めています。

さらに、コロンビアの輸出額のおよそ1割がコーヒー豆ということで、コーヒー産業はコロンビアにとって欠かせない一大産業になっています。

また、以前はコーヒーの国内消費量は少なかったのですが、最近ではコロンビアで生産したコーヒー豆のおよそ2割が国内で消費されるまでに増えています。

 

 

コーヒー生産地の特徴

コロンビアは、コーヒー豆を栽培するのにもってこいの土地です。

というのも、エクアドルから続くアンデス山脈は3つの支脈に分かれ、国土を南北に縦断しています。

そのため、国土の大部分が標高の高い山岳地帯や高地で、こういったアンデス山脈のふもとにコーヒー農園もあります。

コロンビアのコーヒー農園は、次のような環境を備えていて、コーヒー豆の栽培をするための条件が揃っているんです。

  • 標高が1000~2000mの急斜面な高地
  • 適度に涼しく温暖な気候で、昼と夜の寒暖差がある
  • 火山灰を多く含む水はけのよい弱酸性の土壌
  • 降水量が年間2000ml以上あり、年に2回雨季がある

また、コロンビアはアンデス山脈の3つの支脈が国土を縦断しているだけでなく、南米大陸の北西部に位置していて太平洋とカリブ海の両方に面しています。

そのため、同じコロンビアであっても地域によって気候などの環境が違い、それがコーヒー豆の風味にも大きく影響しています。

栽培された地域によって、コーヒー豆にも地域性のある個性的な風味を感じることができるんです。

 

ちなみに、コロンビアの生産地域は、大きく北部、中部、南部の3つに分けられます。

 

北部地方

北部地方は、標高が1000〜1300mほどと低く、気温が高めで日照時間も長いです。

そのため、シェードツリーや高低差を利用し適度に日陰を作ることで、直射日光に弱いコーヒーノキを強い日差しから守りながら栽培しています。

収穫時期は10~2月です。

味わいは、やわらかな酸味とナッツのようなコク、チョコレートのような香りが特徴です。

北部地方の生産地域というと、次の3つが有名です。

  • マグダレナ
  • サンタンデール
  • ノルテ・デ・サンタンデール

 

中部地方

コロンビアの中でもコーヒー豆を栽培するのに最も恵まれた環境なのが、中部地方です。

標高1300〜1700mに位置し、雨季と乾季のある豊富な降水量に恵まれていて、なおかつ火山灰の積もった肥沃な土壌を兼ね備えています。

収穫時期は年に2回で、メインの時期は9~12月ですが4~6月にも収穫されます。

中部地方のコーヒー豆は、フルーティーな香りに、ほどよい酸味とコクのバランスがとれた味わいが特徴です。

主な生産地域には、次のようなものがあります。

  • トリマ
  • アンティオキア
  • カルダス
  • クンディナマルカ
  • リサラルダ
  • キンディオ

 

南部地方

北部地方とは逆で、1800mを超える標高の高さと低い気温の環境下にあるのが、南部地方です。

コロンビアの中でも赤道に近い地域で、土壌は火山灰を含み栄養分たっぷりです。

収穫時期は、1~6月です。

キレのある酸味に柑橘系の香りのあるまろやかな味わいが特徴です。

南部地方の生産地域というと、次の3つが有名です。

  • ナリーニョ
  • カウカ
  • ウィラ

 

コーヒー豆の生産方法

大規模農園の多いブラジルとは対照的に、コロンビアでは小規模農園がコーヒー豆の生産を支えています。

こうした小規模なコーヒー農家は、1927年に設立された「コロンビアコーヒー生産者連合会(FNC)」に加盟して、アドバイスやサポートを受けながらコーヒー豆の生産をしています。

コロンビアコーヒー生産者連合会(FNC)がコーヒー豆の生産から流通までを管理することで、コロンビアでは高い品質のコーヒー豆を安定的に供給することができています。

また、コロンビアコーヒー生産者連合会(FNC)は毎年品評会を開催するなど、スペシャルティコーヒーの生産にも力を入れています。

 

基本的にコロンビアでは、山岳地帯の急な斜面でコーヒー豆を作っているので、機械での収穫は難しく手摘みによる収穫が行われています。

地域によって収穫時期がずれていたり年に2回収穫できるところもあることから、コロンビア全体としてみると一年中どこかしらの地域でコーヒー豆を収穫することができます。

精製方法は長らく、大量の水と発酵の工程が必要なウォッシュドが中心でしたが、最近ではより水を節約できるセミウォッシュドを導入するところも出てきています。

 

精製方法についての詳しい記事はこちらを参考にしてください。

コーヒーチェリーから生豆を取り出す4つの精製方法を解説します!

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コーヒー豆の栽培品種

栽培品種は、100%すべてアラビカ種です。

コーヒーの栽培が始まった当初は、生産性が低くサビ病などの病虫害に弱い品種、ティピカ、ブルボン、マラゴジッペなどが栽培されていました。

その後、より生産性が高くてサビ病などの病虫害に強い品種、カトゥーラ、バリエダ・コロンビア、カスティージョなどがメインで栽培されるようになりました。

なかでも、バリエダ・コロンビアとカスティージョは、コロンビアコーヒー生産者連合会(FNC)が品種改良に取り組み開発された品種になります。

 

バリエダ・コロンビアは、カトゥーラとカチモールを交配してできた品種です。

サビ病などの病虫害や霜、直射日光に強く、短期間でたくさん収穫することができます。

その反面、生産性や耐病性を重視するあまり、品質は低く雑味があり、焙煎を深くまですると苦味を感じます。

また、ヨード臭に似た薬品のような異臭、いわゆる「フェノール臭」も問題視されています。

 

一方、バリエダ・コロンビアをさらに品種改良してできたのが、カスティージョです。

コロンビアコーヒー生産者連合会(FNC)主導の下、サビ病対策と安定的な供給を目指しバリエダ・コロンビアへの植え替えを進めたことによって、一時コロンビア産のコーヒーの海外からの評価は下がってしまいました。

しかし最近では、カスティージョの台頭によりCOE(カップ・オブ・エクセレンス)で入賞するなど、評価は改善してきています。

 

品種についての詳しい記事はこちらを参考にしてください。

コーヒー豆の品種(アラビカ種・ロブスタ種・リベリカ種等)とは何か?徹底解説!

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コーヒー豆の等級と格付け

コロンビアでは、生豆の大きさ、いわゆるスクリーンサイズによって格付けされています。

スクリーンサイズは大きいほど、等級は高くなります。

  • スプレモ --- スクリーンサイズ「17」(6.75mm)以上の生豆
  • エクセルソ --- スクリーンサイズ「14」(5.5mm)~「16」(6.5mm)の生豆

スクリーンサイズが「14」(5.5mm)に満たないものは、輸出基準を満たさないため国内消費用に回されます。

 

等級と格付け方法についての詳しい記事は、こちらを参考にしてください。

コーヒー豆の等級(グレード)と格付け方法を生産国別に解説します!

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コーヒーの味の特徴

コロンビア産のコーヒーは、全体としては上品な酸味とマイルドな甘味、力強く濃厚なコクが特徴的なバランスのとれた味わいです。

加えて、ほどよい苦味とフルーティーさも感じられます。

 

とはいいながらも、コロンビアではコーヒー豆が作られた地域や気候によってそれぞれ風味に個性があり、バラエティ豊かなものになっています。

そのため、それら違った風味の豆の混ぜ合わせかたによっては、香味がぼやけることも。

さらに、近年では品種改良も積極的に行われているため、よりいっそう味に多様性が出てきています。

 

ストレートで飲んでも味わい深いですが、焙煎を深めにしてアイスコーヒーとして味わうのもまたいいです。

また、他の豆とブレンドすると香りがより際立ちます。

基本的には、中煎りのミディアムロースト~シティローストで焙煎するのがいいでしょう。

 

代表的なコーヒー豆

コロンビアで生産されているコーヒー豆の中から、いくつか代表的なものをご紹介します。

 

コロンビア・スプレモ

コロンビア・スプレモは大粒で肉厚なコーヒー豆で、日本でもよく見かけるので馴染みがあります。

等級のところでも触れましたが、「スプレモ」は豆のサイズが6.75mm以上なことを表しています。

ちなみに、「スプレモ」はスペイン語で最高級という意味です。

 

風味の特徴は、ほどよい酸味とコクがあり、バランスのとれたマイルドな味わいです。

クセがないので、ブレンドのベースとして使われることも多いです。

大粒で肉厚なため、焙煎の難易度は高めになります。

 

 

エメラルドマウンテン

「エメラルドマウンテン」と聞くと缶コーヒーを連想してしまうかもしれませんが、実はとても高級なコーヒー豆なんです。

というのも、コロンビアコーヒー生産者連合会(FNC)から「エメラルドマウンテン」として認定されるのは、コロンビアで生産されているコーヒー豆のうち1~3%にすぎないんです。

その称号を得るためには、コーヒー豆の栽培から出荷まで徹底した品質管理がなされます。

アンデス高地で栽培されたコーヒー豆は、完熟したものだけを一粒ずつ手摘みで収穫され、丁寧に精製処理と選別が行われます。

欠点豆を取り除くハンドピックは機械だけに頼らず人間の目でも行い、味や香りをチェックするカッピングが何度も行われます。

こうしてようやく厳選された最高級品の「エメラルドマウンテン」として認められます。

ちなみに「エメラルドマウンテン」とは、コロンビア特産の宝石「エメラルド」とアンデス山脈にちなんだ「マウンテン」に由来しています。

 

風味の特徴としては、深いコクがあり、適度に酸味と苦味、甘味のバランスがとれた味わいです。

エスプレッソにすると、甘味がよりまろやかに感じられます。

 

 

まとめ

この記事では、コロンビア産のコーヒー豆の特徴についてみてきました。

コロンビア産のコーヒー豆と一口にいっても、気候や地形など栽培された環境にだいぶ差があることが分かりましたよね。

これは、いろいろな地域のコロンビア産コーヒーを味わってみる価値がありそうです♪

コロンビア産のコーヒーを飲んでみて、コロンビアのどこの地域で作られたコーヒー豆か分かるようになれば、かなりのコーヒー通と言えるんじゃないでしょうか?

ぜひ、チャレンジしてみてくださいね♪

 








 

 

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